コラム

【DUO Projectに向けて〜竹澤恭子さんからのメッセージ〜】

2022.08.21

アンサンブルの最小単位で原点である「デュオ(二重奏)」を探求するDUO PROJECT。

今回は世界的なヴァイオリニストで、9/4のデュオ演奏会にご出演いただく竹澤恭子さんからメッセージをいただきました!

昨年Music Dialogueが「デュオ」を探求するプロジェクトを始動させるにあたり、芸術監督の大山平一郎がとにかく竹澤恭子さんにご協力いただきたいという強い思いがあり、ご相談させていただいたところ、デュオ・プロジェクトの意義や必要性にとても共感してくださいました。

昨年初めて開催したデュオ・オーディションでの審査員や、選ばれたデュオアーティストへのコーチングなど、さまざまな形で関わってくださっています。

竹澤さんからは、ご自身の学生時代に感じたことを中心にお寄せいただきました。ぜひご一読ください!

9/1の公開リハーサルは満席になったためお申込みを終了させていただきましたが、9/4の本公演の方はまだお席がございます。皆様のご参加をお待ちしております!

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「Duo Projectに寄せて」

学生時代、楽器を操る技術を磨くことに夢中だった私に、室内楽の醍醐味を教えてくれたのがヴァイオリンとピアノのソナタの作品でした。最初に取り組んだソナタはベートーベンの第8番のソナタ。コンチェルトや小品のレパートリーを集中して勉強していた私には、どのようなスタンスでこのデュオというものを演奏したらいいのか正直戸惑いがありました。その時、はっきりと私に欠落しているものが見え、それからというもの、ソナタの作品に積極的に取り組むようになりました。

それまで伴奏と言う形でしかピアノの存在を感じていなかったその感覚から、鍵盤楽器であるピアノといかに対等に音楽の会話をし、曲を構成していったらいいのか、この事に真剣に取り組んでいく事で、他者を聴く耳が育てられ、それは、ソナタのみならず、あらゆる形の室内楽、また、協奏曲でのアンサンブルの基盤を作る鍵となりました。

このMusic Dialogue Duo Projectにおいて、對馬さん/キムさんという才能溢れるDuoチームをコーチングさせて頂きましたが、それは一方的なコーチングというものでは無く、皆で共にアンサンブルの真髄を探究し、また作品を深く読み込んでいくという作業で私自身多くの気づきや発見があり、濃密な時間を過ごさせていただきました。このコンサートでは、より多くの皆様にDuoの魅力を感じていただけましたら幸いです。

竹澤恭子(ヴァイオリニスト)

プロフィールはこちらから

https://www.hirasaoffice06.com/artists/view/186

Photo by T.Tairadate

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○Duo Project Concert 2022

【日時】9月4日(日)17:00開演

【会場】Hakuju Hall

(代々木公園駅(千代田線)出口1より徒歩5分

【曲目・出演】

1.シマノフスキ 

神話~ヴァイオリンとピアノのための3つの詩曲 作品30

對馬 佳祐(ヴァイオリン) × 上田 晴子(ピアノ)

2.ブラームス 

ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 作品78

竹澤 恭子(ヴァイオリン) × ジャンミッシェル・キム(ピアノ)

3.プロコフィエフ

ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 作品94bis

對馬 佳祐(ヴァイオリン) × ジャンミッシェル・キム(ピアノ)

【料金】一般 5,000円、学生 2,500円

【お申込み】

https://teket.jp/971/12873


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