アンサンブルの最小単位で原点である「デュオ(二重奏)」を探求するDUO Project。
デュオ・アーティスト2022として9/4の公演に出演していただくヴァイオリニストの對馬佳祐さんからメッセージをいただきました。
今回の参加にあたって感じていらっしゃること、演奏曲について、そしてご自身が課題に思っていらっしゃることなどについても書いてくださいました。
ぜひご一読ください。
リハーサルを通して、本公演までにどのように演奏が変わっていくのか、その様子を実際に感じていただき、デュオ・アーティストを応援していただければ幸いです!
=====
・デュオプロジェクト参加にあたって
学生時代より、ヴァイオリンとピアノのための二重奏作品に対して敬意と愛着を持ってこれまで取り組んできました。
しかしそれは振り返れば、未熟な自分なりに方法を模索していても、細部に拘泥し表現に乏しいものであったり、独善的なものに陥りがちだったように思います。
その上で今回のデュオプロジェクトを通じて、今までに体験したことがない視点から演奏に向き合い、演奏技法を発展させることによる表現の豊かさの底上げなど、今後演奏活動を続けていく糧となる貴重な機会を持つことができ、またその成果を9月4日の演奏会で発表させていただけることを大変嬉しく思っています。
大山先生、竹澤先生、上田先生という比類のない専門家に導いていただきながら、どのような音楽をお届けできるか私自身とても楽しみにしております。
・シマノフスキの『神話』について
同郷の偉大なヴァイオリニスト、パウル・コハンスキの協力のもとに書かれたシマノフスキのヴァイオリン作品は、純ヴァイオリン奏法的観点からも創意工夫に溢れており、今回それを演奏する機会をいただけることは大きな喜びです。『神話』は、シマノフスキがピアノにおける管弦楽的書法を目指して試行錯誤していた頃の作品で、その多声的で鮮やかなピアノの響きに重なるヴァイオリンは、まるで協奏曲のようなスケールの大きな表現を求められます。
それを踏まえたうえで今回の取り組みとして、私自身が自分の演奏の課題として認識してきた、表現力の問題と向き合うことになりました。先日のコーチングでは、大山先生からの実践的なアドバイスとして、運弓のスピードのコントロールやテヌート、アクセントなどの処理、そしてそれを音楽の場面によっていかに使い分けなければならないか等を学びました。竹澤先生からも、音の表情に着目した音色づくりについて様々なご提案をいただきました。
また、上田先生と今回共演させていただけるのはこの上ない幸福な体験で、標題性の強い作品である『神話』では、まるで物語の情景が目の前に浮かぶかのような芳醇な響きで演奏を導いてくださいます。
献身的なご指導を惜しまない先生方、Music Dialogue運営や関係者の皆様、盟友キムさん、ご来場くださるお客様への感謝を込めて、ここからさらに精一杯取り組み、少しでも成長した姿をお見せできればと思います。
對馬佳祐(ヴァイオリニスト)
プロフィールはこちらから
https://www.tunecore.co.jp/artists/Keisuke-TSUSHIMA
Photo by T.Tairadate
=====
○字幕実況解説付き公開リハーサル
【日時】9月1日(木) 19:00開始
【会場】中目黒GTプラザホール
(中目黒駅南口よりすぐ)
【曲目・出演】
シマノフスキ:
神話~ヴァイオリンとピアノのための3つの詩曲 作品30
對馬 佳祐(ヴァイオリン) × 上田 晴子(ピアノ)
プロコフィエフ:
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 作品94bis
對馬佳祐(ヴァイオリン) × ジャンミッシェル・キム(ピアノ)
[コーチ]上田晴子、大山平一郎
[解説] 加藤文枝(チェリスト)、小室敬幸(作曲、音楽ライター)
【料金】一般 2,000円、学生 500円
【お申込み】
○Duo Project Concert 2022
【日時】9月4日(日)17:00開演
【会場】Hakuju Hall
(代々木公園駅(千代田線)出口1より徒歩5分
【曲目・出演】
1.シマノフスキ
神話~ヴァイオリンとピアノのための3つの詩曲 作品30
對馬 佳祐(ヴァイオリン) × 上田 晴子(ピアノ)
2.ブラームス
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 作品78
竹澤 恭子(ヴァイオリン) × ジャンミッシェル・キム(ピアノ)
3.プロコフィエフ
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 作品94bis
對馬 佳祐(ヴァイオリン) × ジャンミッシェル・キム(ピアノ)
【料金】一般 5,000円、学生 2,500円
【お申込み】