コラム

【DUO プロジェクト 2023】コンサートレポート②

2023.12.13

2023年11月10日(金)HakujuHallにて、3月のオーディションからスタートしたDUOプロジェクトの集大成として、【DUOプロジェクト2023】コンサートを行いました。

上田晴子さん(ピアノ)と水越菜生さん(ヴァイオリン)による、ラヴェルの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第2番」、白瀬元さん(ピアノ)と竹澤恭子さん(ヴァイオリン)による、ブラームスの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第2番 」、休憩をはさんで、白瀬元さん(ピアノ)と水越菜生さん(ヴァイオリン)によるサン=サーンスの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1番」 どの曲も情熱を感じる演奏でした。
演奏後のダイアローグでは、DUOプロジェクトでともに音楽作りをした半年間を振り返りつつ率直な感想が伺えました。

水越菜生さん(ヴァイオリン)
弾き終えてほっとしています。苦手だと思っていたジャンルの曲だったので緊張しましたが、コーチングを思い出しながら演奏しました。サン=サーンスは、聞くのは好きだけど、弾くのは怖い、でもいつかは弾いてみたいと思っていたのでチャレンジして、よかったです。が、あまりにも難しい曲なので、しばらくは弾かないかもです。
このDUO プロジェクトでは音楽づくりの根本、曲の構築の仕方を教えていただきました。すごく覚えているのが、初回のコーチングで大山先生が料理に例えて「君は何を作るか考えないで買い物にいくのか」と言われたことです。今まで、とりあえず音を弾けるようになってから、なんとなくこうやってみようかなという感じで作っていく、というやり方が大間違いだったということに気づかされました。自分がどう弾きたいのかということを先にイメージとして膨らませた状態で、こういう音を出したいから、そのためにはどういうテクニックを使って弾くかを考える。それが曲作りだと学びました。

白瀬元さん(ピアノ)
キャラクターの違う2つの作品を、そえぞれ違うヴァイオリンの方と弾くという企画で、生まれて初めての感覚でした。
本番2日前の上田先生からのマンツーマン3時間のレッスンが、本当に人生を変えるぐらい素晴らしい時間でした。例えば、体が固くなってしまっているからこうしたら、などということはこれまでも別の方に言われてたりするのですが、半年間の積み重ねがあった上で、そのタイミングや精神的なものなどがうまくかみ合ったことで、言われたことがスッと入ってきて、自分がそれを噛み砕こうっていうスタンスになって最後の2日間全力で取り組みました。自分でもわかっていたのにできなかったことと、わからなかったことがあって、分かってるはずのことなのに、体から流れていかない、 全然想像してる音が出ないっていうのが、大分流せるようになったように感じます。体の使い方もあるし、精神的なものもあるし、テクニックでもあるし、その深い部分について、 少しだけでも成長できたかなという気がしています。

竹澤恭子さん(ヴァイオリン)
ブラームスのソナタ2番は一生大切にしたいレパートリーです。曲の持っている素晴らしさをどうやって描いていくか、白瀬さんと音を重ね、いろんなお話をするなかで、白瀬さんがすごくいろんなアイデアを出してくださって、私もそれを試してみたりしながらコミュニケーションとってきました。
セッションを繰り返すなかで、白瀬さんが何かを掴んでいくっていう、その瞬間を感じることができました。また今日の演奏では、ブラームスのこの曲では幸福感を醸し出せるような演奏を心掛け、白瀬さんに愛を届けるつもりで、また彼からの愛を感じながら演奏したつもりです。

上田晴子さん(ピアノ)
公開レッスンの時に若い2人に伝えたメッセージはちゃんと中に入ったと思ってとても嬉しいと思いました。白瀬くんとのレッスンでは、対話によってマッサージしほぐしていくようなプロセスでした。 だんだん彼のなかに流れを感じるられるようになって、信頼関係によって教えが伝わって、どんどん上手になってるのがとても嬉しかったです。このプロジェクトに参加してる意味があるなと思って聞いてました。ありがとうございます。

大山平一郎(芸術監督)
2人が先入観を捨てて新しいものを受け入れることができたという成長の成果をうれしく思います。この経験を活かして新しい道を励んでほしいです。
Music Dialogueの若手を育てる活動は、素晴らしい聴衆の皆様に支えられております。これからもご支援のほど、よろしくお願いいたします。


今回も19人の留学生の方をご招待いたしました。

それぞれの国のお言葉で、メッセージをいただきました。


こちらは2023年6月 築地本願寺でのディスカバリー・シリーズでの様子です。

Music Dialogueでは、不定期ではありますが、留学生の皆様をイベントにご招待し、グローバルな対話の機会を設けています。


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