2023/08/09(水)中目黒GTプラザホールにて、DUO プロジェクトの公開リハーサル1回目を行いました。
前半ではDUOアーティスト2023の水越菜生さん(ヴァイオリン)と上田晴子さん(ピアノ)による、ラヴェルの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第2番」の1楽章を、後半ではDUOアーティスト2023の水越菜生さん(ヴァイオリン)、白瀬元さん(ピアノ)でサン=サーンスの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1番」の1楽章を、取り上げました。
DUOという演奏分野においてまさにスペシャリストであり、ラヴェルに師事したペルルミュテール氏のレッスンも受けられたという上田先生によるラヴェルの生い立ちや性格についてのお話や、曲の細部に至るまでの具体的なイメージ(色、場面、登場する要素など)についての説明が素晴らしく、その場にいあわせた皆が「演奏とはここまで細部にこだわり、イメージを音にしていくことなんだ」ということを実感させられた時間でした。
また芸術監督の大山平一郎からのコメントでは、それぞれの作曲家やその系譜を理解した上で、その作曲家の音というものを追い求めていくのが重要という話がありました。
今回解説者として参加してくださったヴァイオリニストの石上真由子さんからは、ご自身がDUOとして経験してこられたことと重ね合わせたお話もうかがえました。
ダイアログの時間に出演者が話した感想を簡単にご紹介いたします。
水越 菜生(ヴァイオリン)
ラヴェルは、上田先生が初回の合わせの時に、「(言いたい事を) 公開リハーサルのためにとっておく」という風に仰っていて、キーワードのみいくつか頂いていたのですが、今回の公開リハーサルで詳細なご説明を頂いたことで、点と点がつながった様に情景が思い浮かび、演奏に投影しやすくなったことに感動しています。
サン=サーンスは、前回竹澤先生と大山先生のコーチングを受けて、その時の指導を反映した演奏ではあったのですが、白瀬君が今日上田先生からご指摘あった「オルガン風」などを表現して弾いてくれたことで、私もすごく弾きやすくなりました。
頂いたアドバイスを活かしながら、本番までよりしっかり練習していきたいと思います。
白瀬 元(ピアノ)
今まで室内楽とソロ、どちらかというと室内楽に9 割の比重をおいてやってきました。 ヴァイオリンと共演する場合は、ヴァイオリンの先生にみて頂くことが多く、ピアノを演奏される方に見ていただくことが、ゼロに等しいくらいでした。
上田晴子先生に聴いていただくのはすごく緊張しますが、感覚的にイマジネーションが広がるようなことをおっしゃってくださる、 また尚且つ、「細かいニュアンスを作る時は、足の親指だけでペダルを踏む」など、ものすごく具体的で身体的なテクニックのところまで落とし込んで教えてくださるというのが ものすごく貴重な体験で、今、自分が大事な時期を過ごしてる最中にいるんだな、という気がしております。
これから本番まで精一杯吸収して頑張ります。
大山 平一郎(芸術監督)
今日でコーチングセッションは4回目ですが、2人とも明らかに初回と比べて成長してきてると思う。
二重奏は、小さい頃から無意識にやってきていることだろうけれど、こうやってちゃんと「対等な2つの楽器のために書かれたものである」という意識を持って、楽譜を見直したり弾いたりすると、いろんな発見があるんじゃないかな と思う。
今日のことに関して言えば、前回のリハ会場はスペースが
ここの1/6ぐらいで、バイオリンも結構音が鳴っていたと思ったけれど、こういう場所に来るとやっぱり音量が足りないと思うわけね。
あと、今日のように2曲あったら、それぞれの曲に対するイメージによって、音の出し方とか作り方を変えないといけない。そういうことが身についてくれればいいな、と思って聞いてました。
上田 晴子(ピアノ)
私は(DUOアーティストの水越さん・白瀬さんと)この前のオーディションで 初めて知り合って、レッスンもほとんどしていないに等しいから、毎回、回を追うごとにあなたたちと私たちの関係も少しずつ縮まってくる、そんな時期を今 過ごしています。
でも(指摘すると)本当にあっという間にいろいろ変わるなと思うし、「もっと教えたい」と思うようなグループです。頑張りましょう。
引き続き、11月の本公演に向けて、オンライン講座やコーチングが続きます。
次回の公開リハーサルは11月3日の夜、中目黒GTプラザホールで開催予定です。
Duoプロジェクト2023 公開リハーサル第2回目
日時 | 2023年11月3日(金) 19:00開始(18:30開場) |
会場 | 中目黒GTプラザホール(中目黒駅すぐ) |
演目 | ブラームス ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ長調 作品100 サン=サーンス ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ニ短調 作品75 |
出演 | 水越 菜生、白瀬 元、竹澤 恭子、上田 晴子 |
コーチ | 竹澤 恭子、上田 晴子、大山平一郎 |
解説 | 小室敬幸(作曲/音楽ライター) |
料金 | 一般 2,500円 / 学生 500円 (全席自由) |