2023年3月15日(水)に中目黒GTプラザホールにて「室内楽塾in東京 2023(3/12-15)」 の成果を発表する演奏会を開催しました。ご来場、ありがとうございました。
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演奏後におこなった受講生や講師とのダイアローグの内容や、ご来場のお客様の感想をダイジェストでご紹介いたします。



出演者インタビュー
堀内 1曲目のシューマンのピアノを担当しました堀内流星です。ありがとうございました。
このセミナーは12日から始まって、1回のレッスンが2時間半と長く、濃密な時間を過ごさせてただいたっていうのが第一印象です。
その中で僕の課題が色々と見つかったのがとても嬉しく、とても勉強になりました。まず、『音楽の流れをどう構成していくか』を教われたのが貴重な経験だったと思います。
何より演奏する楽しさ、音楽をどう持っていこうかとか、みんなで一緒にひとつのものを作っていく『共演する喜び』を感じられました。先ほどのシューマンの演奏でそれが皆さんにも伝わっていてほしい、いや、伝わっていたと思います!ありがとうございました。
福崎 僕は皆さんより随分年上で 色々経験はあるんですけど、大山先生から、プログラムに関してのバックグラウンドや、こういう知識は持ってないといけないよね、とか、先生の『知識の深さ』に、ため息が出るばかりでした。
今日本番で、僕人生で初めてiPadの踏めくりが全く機能しなくて、頭がパニックになってしまい、 『事前の準備は大事』と実感しました。先生も温かいフォローをしてくださって、ありがとうございました。
谷村 ブラームスの六重奏のファーストを演奏させていただきました。今日は本当にありがとうございました。
まず、数年かけて書かれた曲を、なんとこの数日間で、しかも、学校も別々で、年齢も様々な人たちで取り組むことで、余計に濃い時間を感じました。今日すごく緊張してたんですけど、一緒に弾いてる皆さんの顔見ると『安心感』が生まれるぐらい。本当にこの数日間で共演者の皆さんのことを知れたかなと思います。
今回も大山先生から新しい知識をたくさん教えていただきましたが、これから様々な曲を演奏していく上で役立てられると思います。
今日の曲はブラームスが27歳の時に書かれた曲ですが、ブラームスの世界観を表現するには、より深い人生経験が必要だと思いました。それを今回は想像力膨らませながら、自分なりにどうやったら、『ブラームスの豊かな世界観』を表現できるのかということを、深く考えることができました。ありがとうございました。
―― これまでもMDアーティストとして色々な企画に出演してくれているヴィオリストの田原彩子さんですが、今回初めて講師として参加してくれました。若干30にもなっていない田原さんにとって「指導する」というのは相当緊張感もあったようですが、日ごとに貫禄が出てきたように感じました。感想お願いします。
田原 今日はありがとうございました。大山先生に最初にお会いしたのが、2015年の秋シャネルでの室内楽シリーズでした。当時はまだ同級生や親しい人としか弾いたことがなくて、経験豊かな先輩方と弾かせていただくことは、すごく刺激がありすぎて悩んだこともあります。そういう時に大山先生がいつもフォロー、言葉をかけてくださいました。その経験が自分にとっていかに大きな『糧』になったかを実感しています。
今年年明けに「ちょっとあなた、室内楽塾の講師をやってみない?」と言われた時には、 「講師ですか??」というような感じでした。これまで人に対して指導をするという立場になったことがなくて、「私が一体何を教えられるんだろうか?」「教えるっていうのは」と思い悩みながら、初日を迎えました。
本当に言葉が足らず、分かりにくかったりとかあったと思うのですが、その時も大山先生がいつもうまくフォローしてくださって、「あ、そういう風に言葉を選んで、そういう風に伝えると、うまく相手に理解してもらえるんだな」と。
大山先生が以前、「教えるということは、学ぶことだ」っておっしゃっていた時には「そういうものか」くらいに受けとっていました。実際に自分でやってみると、音楽づくりについて言語化することがいかに難しくて、でも、それがどれだけ大事なことかってことを、この4日間ひしひしと感じました。
大山先生にはいつも『人と弾くこと』だとか、今回のように『言葉を選んで教えること』など、普通出来ないような貴重な経験をたくさんさせていただいて、本当に心から感謝の気持ちでいっぱいです。
皆さんといっぱい一緒に弾けて、本当に楽しかったです。ありがとうございました。
―― 最後に塾長の大山さんに全体の感想をお願いします。
大山 塾初日には「これ、どうなるんだろう?」と、かなり心配になったりしましたが、2日目のリハーサルでは「あれ、昨日提案したことがもう実現してる」と驚き、3日目には、伊藤さん(事務局長)に「ちょっと感動してしまって弾き続けられないほどだった」と話すほどに。こんなに素晴らしい体験を、皆さんにさせてもらってうれしい限りです。
実はこの中に高校1年生がいます。最初は比較的に室内楽の経験が少ないような感じで弾いていたんですが、今日の最終演奏では僕より経験があるのではと思ってしまうほどでした。素晴らしい吸収力ですね。
若い演奏者たちにとって、学んだことを発表してお客様に聴いていただくという場が何より大きな成長につながることは明らかです。今日のご来場、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。