コラム

【ディスカバリー・シリーズ3月公演に向けて】芸術監督 大山平一郎より

2022.02.12

Music Dialogueの芸術監督である大山平一郎より、今年度最後のディスカバリーシリーズに向けてメッセージが届きました。
今回の演奏会には隠し味が仕込まれているとのこと。一体どんな隠し味なんでしょうか。
ぜひご一読ください!

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今回の演奏会には、2つの隠し味が仕込まれています。

1つ目は演目の構成です。
作曲家ヨハネス・ブラームスの生涯を通して、良き支援者であり、音楽上の助言者であったシューマンの妻クララの存在は、皆様が知るところです。

そして、彼女が優秀なピアニストであったことも有名かもしれません。
しかし、作曲家であったことまではあまり知られていません。
今回のディスカバリーシリーズでは、彼女の作品をヨハネスの曲と一緒に御紹介いたします。

ヨハネスは自分の新作を発表する前に、ほとんどの曲を試演し、側近の意見を求めるのが常でしたが、クララも重要な側近の一人でした。
ヨハネスが試演の批評に対してとった行動は、部分的に手を加える事例から、完全に原稿を破棄し、書き直す事は勿論のこと、その曲の発表を断念することも多々ありました。ヨハネスにそのような判断影響を与えたクララ自身の曲を聴くことは、興味深いことではないでしょうか。

もう1つの隠し味は、グループを形成する奏者の人選です。
2つの、かなり世代に隔たりがある奏者でグループが結成されています。
若いお二人は、これからの日本の演奏界の発展を担うに相応しい、素晴らしい才能と技術を兼ね備えた数少ない奏者です。
今は、グローバルな観点を持って己の芸術を磨くのが当たり前の時代ですが、留学経験も豊富なお二方は、それを成し遂げる為に必要な海外での長い生活も経験している人材でもあります。

そして、私が尊敬する小栗さんは、素晴らしい日本を代表する演奏家であり、後輩の育成に著しい功績を刻んでいる、日本が世界に誇る教育者でもあります。
小栗さんとは、中学生のころから、同門(同じ先生に師事)、同じ音楽教室、そして、同じ音楽学校、留学先も同じ所…。
でも、一学年違いのせいか、半世紀(大げさ?)を振り返っても、まともに室内楽で一緒に弾いた記憶が無く、この度の共演にはかなり緊張しております。

クララとヨハネス。
そして、関西育ちの4人の奏者。
お楽しみください。

大山平一郎

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○字幕実況解説付き公開リハーサル
【日時】2022年2月28日(月)19:00開始(18:45開場)
※日時が変更となりました。
【会場】中目黒GTプラザホール (中目黒駅南口よりすぐ)
【料金】一般 2,000円、学生 500円
【曲目】ブラームス:ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 作品60 
【詳細・お申込み】https://passmarket.yahoo.co.jp/…/…/detail/02vw8dqykf621.html

○本公演
【日時】2022年3月4日(金)19:00開演(18:30開場)
【会場】めぐろパーシモンホール 小ホール (都立大学駅より徒歩7分)
【料金】一般 4,000円、学生 2,000円
【曲目】クララ・シューマン:ピアノ三重奏曲 作品17
  ブラームス:ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 作品60
【出演】酒井有彩(Pf.)、小栗まち絵 (Vn.)、大山平一郎(Vla.)、辻本玲(Vc.)
     ※出演者が変更となりました。
【詳細・お申込み】 https://bit.ly/3IJp74K

[主催]  一般社団法人 Music Dialogue
[共催] 公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
[協力]  日本音楽財団(日本財団助成事業)

※プログラムや出演者は都合により変更になる場合があります
※※お客様のご都合による申し込み後のキャンセル及び返金はお受けできません。予めご了承ください。


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