Music Dialogue オデッセイ・シリーズ 「芸術を探求する旅」
オンライン連続講座 Vol. 2 :
作曲家たちの肌感覚に近づいてみよう!【全3回】
ナビゲーター : 小室 敬幸、白沢達生
※すべて20:30開始 22:00終了予定
(ゲスト:高橋達史/西洋美術史)
クラシック音楽を育んできた昔日の西洋社会は、他にもさまざまな分野で私たちに刺激的な文化を花開かせてきました。美術もそのひとつ。昔日の画家たちが手がけた絵画作品には、作曲家たちが生きた世界について知るヒントを与えてくれるものも少なくありません。どのように作品と向き合えば、そこに秘められた「画面の向こう側」を垣間見ることができるでしょうか?風俗画や楽器図像学の研究でも知られる西洋美術史の専門家・高橋達史さんにお話を伺い、クラシック音楽に親しんでいればこそ尚更おもしろくなる美術鑑賞体験を探ってみましょう。示唆に富んだトークから、絵画に接することがいかに知的興奮に満ちたエキサイティングな行為だったかも改めて実感できます。美術館の展示作品や画集のページを漫然と眺める以上の「実り」につながるヒントがここに。
(ゲスト:白沢達生/翻訳・音楽ライター)
飲食店の知名度が、料理の質とは関係ない立地や時代の好みといった要因にも左右されやすいのと同じように、数世紀におよぶ歴史が生んだクラシック音楽作品の中でも、質に見合った高い知名度を保てている傑作はごく一部だけ。楽譜の再発見や実演・録音が進んだ結果、今ではそうした未知領域に隠れていた音楽の多くにアクセスしやすくなりました。そうした世界にどのようにアプローチすれば、意義ある出会いや発見に辿り着けるでしょう?昨年のオデッセイ・シリーズに続き、過去20年にわたって膨大な量のCD解説翻訳や紹介を手掛けてきた音楽ライターの白沢達生さんを迎え、有名曲探求だけでは見えてこないクラシック音楽の「裏側」「向こう側」へ分け入る楽しみ方を考察します。SpotifyやApple Musicといった定額音楽配信サービスをはじめ、メディアとの付き合い方も探ってゆきます。
(ゲスト:斎藤基史/音楽修辞学研究)
クラシック音楽を聴いたり、作品や作曲家について調べたりしていると、ふとした瞬間に、キリスト教の知見がなくては理解しにくいポイントに行き当たることも少なく有りません。気づかずスルーしてしまいやすい重要事項もいろいろ。長いあいだ西洋社会の根幹であり続け、作曲家たちの創作にも深く影響を及ぼしてきた思想体系だけに、信者か否かを抜きにしても踏まえておきたい領域です。オデッセイ・シリーズ第3回は、学びのチャンスがあっても断片的な知識だけで終わってしまうことも多いキリスト教について、西洋音楽に触れる上で最低限知っておきたい概要を再確認するチャンス。ルネサンス以前の音楽や西洋世界を主な研究フィールドとする斉藤基史さんにお話を伺い、バッハ以降の時代や教会音楽以外の領域の意外なところにも潜む「キリスト教が鍵」な瞬間に気づける感覚を養います。
「沈黙の音楽が語るもの 〜絵画に見る音楽とその背景〜」
「『今の知名度』を越えて初めて見いだせる、音楽の学び」
「西洋文化の土台、キリスト教の知識が音楽をもっと面白くする」
私たちは、室内楽を通して、若手演奏家が経験豊富な演奏家と一緒に真の音楽創りを学ぶことで、アンサンブルの本質を理解できる優れた演奏家になるためのお手伝いをしていきたいと考えています。室内楽が楽器同士の「対話(Dialogue)」であるように、様々な国の演奏家や他分野の芸術家と「対話(Dialogue)」し、幅広い年代の聴き手と「対話(Dialogue)」する機会を通じて、若手演奏家は多くの学びを得ることができると考えています。そうした幅広い「対話(Dialogue)」を通じて、世界を舞台に活躍する音楽家やアート・マネジャーが育っていくことを期待しています。