オデッセイ・シリーズ

西洋クラシックの室内楽 作品は、どのような状況で、どんな考えから生み出されたのでしょう?
コロナ渦にオンライン講座としてはじまった「オデッセイ・シリーズ」が対面リアル形態に進化して、帰ってきます。知識豊富な音楽ライターの小室 敬幸氏、白沢 達生氏を中心に、毎回Music Dialogueアーティストを招いて、広く深く音楽を取り巻く世界を俯瞰する視点で話を進めていきます。
Music Dialogueに登場する作品は、どのような状況で、どんな考えから生み出されたのでしょう――作曲家の境遇やその時代・その地域の社会背景に目を向け、音楽のより豊かな意味を深く探ってゆくオデッセイ・シリーズは、演奏会や集客イベントが困難だった2020年にオンライン講座として発足。
今シーズンは、登壇者を含め参加される皆様が、ともに学び「探求する場」としてリアル開催いたします。
2025-26年のMusic Dialogueは「東から、北から」がテーマ。オデッセイ・シリーズではルーマニア、ハンガリー、チェコ、ノルウェー、イギリスなど、演奏会に登場するさまざまな作曲家や作品を生み育てた幅広い地域に視野を広げ、当時の状況を多角的に探ります。また各回とも MDアーティストがゲスト出演し、演奏家の視点から話題提供してもらいます。参加者の皆様が、演奏会とは異なる刺激を通じてMusic Dialogueディスカバリー・シリーズの演目をはじめ、クラシック音楽をさらに深く味わうヒントや、思いがけない発見があることでしょう。
~ 2025年度は3回 ~
■第1回(2025年4月18日開催予定)エネスコを生み育てた世界
クラシックの傑作が多く生み出された19~20世紀初頭の中欧・東欧に注目、そこにどのような「国」があり、どんな社会で音楽が演奏されていたのか概観します。
ウィーンやベルリン、パリなど大都市とそれらの地域との関係を探るうち、ディスカバリー・シリーズに登場するエネスコという作曲家がいかに重要かも浮き彫りになることでしょう。
■第2回(2025年8月下旬開催予定)作曲家たちとヨーロッパの民俗伝統(仮)
ドヴォルザークやブラームスのような大作曲家たちも、諸民族の坩堝となっていたオーストリア=ハンガリー帝国の世情やドイツ、フランス、英国などの大国の情勢と無縁ではありませんでした。彼らの芸術性と社会の関わりを、他の作曲家たちにも言及しながら読み解いてゆきます。
■第3回(2026年1~2月開催予定)北欧、英国、クラシック(仮)
何かとドイツ語・フランス語・イタリア語で多くのことが回ってゆく近代クラシック音楽ですが、北欧諸国や英国もそこに大きな影響を及ぼしていました。それぞれの国々の音楽シーンにも目を向けつつ、ヨーロッパ全体でどのように音楽史が紡がれてきたかを広い視野で見てゆきます