アクセンチュア芸術部主催 「AIの言葉で“聴く”はどう変わる?鑑賞体験の未来を探る」ワークショップコンサート レポート

2026.07.25

2026年7月4日(土)麻布十番のアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京にて、音楽感想生成AI“Otoprism”を用いたワークショップコンサートが開催されました。弦楽四重奏として、Music Dialogueより伊東咲耶さん、枝並千花さん、大山平一郎、加藤文枝さんが出演しました。アクセンチュア社員のみならず、幅広い年代のおよそ60名の方にご参加いただきました。

演奏の前には、音楽感想生成AI“Otoprism”の開発者である佐藤究さんより、その仕組みや開発の経緯についてお話がありました。“Otoprism”はリアルタイムで生の演奏を測定し、音楽の感想を生成します。さらに、今回はユーザーとの音楽にまつわるコミュニケーションも可能となりました。“Otoprism”が含む「トモダチ」というエージェントは話し言葉でユーザーの感想に寄り添いながら感想をより一層深める手助けを行い、「ハカセ」というエージェントは事前に学習した楽曲の背景知識を用いながらユーザーの疑問を解決し、知識を深める手助けを行います。

一曲目に演奏されたボロディン弦楽四重奏曲第2番3楽章では、参加者がスマートフォンを使いAIと対話しながら鑑賞を行いました。

“Otoprism”の「トモダチ」エージェントにお気に入りの奏者を聞いてみると・・・

「チェロの奏者がすごく良かったと思うよ―主旋律を奏でるときの深みと豊かさが、ほんとに胸に響いた。特に最初のソロの部分で、体全体がその音に包まれる感じがして、素敵だったな。どうだった?」と回答。

一方、「ハカセ」エージェントに作曲経緯を聞いてみると・・・

「―夜想曲の形式を取り、その名にふさわしい夢幻的でロマンティックな雰囲気をもっています。この楽章は、チェロとヴァイオリンによる主旋律が印象的で、豊かな和声と対位法が絡み合い、静かな夜の情景を描きます―」と回答。

まるで生身の人間のような口ぶりで対話するOtoprismに参加者も興味津々の様子でした。

二曲目に演奏されたモーツァルト弦楽四重奏曲第14番第1楽章では、演奏者がテーマを立てて第二主題の弾き比べを行い、AIの感想に変化が生じるかを実験しました。『ティーンの女性』と題し、闊達でハキハキと演奏された一回目に比べ、二回目は穏やかで落ち着いた演奏。参加者の方からは、「着物を着た年配の女性のよう」「40代の大人かな?」といった感想があった一方で、AIはその差をはっきりと判別できませんでした。

この実験結果を踏まえ、チェロの加藤文枝さんからは「大人な女性という意見が多かったのは、(参加者の方に)視覚的要素が印象に強く影響しているからではないか、特に第2主題は枝並さん(2ndヴァイオリン)から演奏される」との鋭い指摘がありました。

最後にドビュッシーの弦楽四重奏より第1楽章が演奏され、参加者はOtoprismを使い自由に鑑賞しました。

今回のワークショップを経て最後に、チェロの加藤文枝さんは「トモダチ、ハカセ、両方の意見を知ることで、鑑賞者のみならず奏者も、曲への向き合い方が変わるのではないか」とOtoprismへの期待をお話されていました。

Otoprismを用いたクラシック音楽の新たな鑑賞体験との触れ合いは、鑑賞者のみならず、演奏者たちにとっても、鑑賞の本質を考える大きなきっかけとなり、また刺激となったようです。


AIの言葉で「聴く」はどう変わる?対話で深まる音楽体験を探る

~生演奏とAIの対話が交差する瞬間を あなた自身の言葉と新たな感性で体験~

2026/7/4(土) 開始: 13:00 @アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京 8F

【演奏曲目】
第1部:ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調 より 第3楽章
第2部:モーツァルト:弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K. 387「春」より 第1楽章
第3部:ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10より 第1楽章

【プログラム】
第1部:イントロダクション&室内楽コンサート
第2部:室内楽コンサート&グループワーク
第3部:室内楽コンサート&まとめ
懇親会(演奏家・登壇者の皆さまと)

【出演】
弦楽四重奏
 伊東 咲耶(第1ヴァイオリン)
 枝並 千花(第2ヴァイオリン)※Music Dialogueアーティスト
 大山 平一郎(ヴィオラ)※Music Dialogue芸術監督
 加藤 文枝(チェロ)※Music Dialogueアーティスト
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坂巻 匡彦(ファシリテータ)
佐藤 究(生成AIアプリ otoprism 開発者)

主催:アクセンチュア芸術部
企画協力:一般社団法人 Music Dialogue


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