あなたにとって「室内楽」とは・・⑦

2026.04.14

室内楽塾 受講生に、”あなたとって「室内楽」とは・・”
の質問をしてみました。

「室内楽って何?」を一般的な定義ではなく、演奏する側として言葉で表現する 第3弾の3!
2026年東京塾の参加生のみなさんの言葉、講師と演奏をされました 中 恵菜さんからの言葉を紹介いたします。


「自我の尊重と適度な譲歩」

 荒川 浩毅(ピアノ)

複数人で共に1曲を取り組むにあたり、演奏を練る過程で解釈がすんなり一致して物事がスムーズに進むことは少ないでしょう。その様な状況下では自分の考えを強引に押し通すのでは無く、共演者の意見と比較し、どれが1番演奏に効果的か、作曲家の意図を汲んでいるかを慎重に判断すべきです。
全ての意見を尊重するのと同時に、議論をした上での譲歩も起こり得ます。試行錯誤して前に進んで行くことで1つの演奏、考え方が確立されて行くし、その過程自体が室内楽の醍醐味だと思っています。


「花を美しく咲かせるための営みのよう」


 島崎 友貴乃(ヴァイオリン)

音、呼吸、空間、あらゆる要素に考えを巡らせ、緻密に積み重ねて初めて成り立つものだと実感しました。毎年美しい花を咲かせるためには様々な条件が必要であるように、そして同じ花は二つとないように、楽譜を読み解き再現するものでありながら、共演者それぞれが持ち寄ったその瞬間の条件の下にしか成立しない美しさが、室内楽の大きな魅力だと感じます。


「音を介した会話」

坂田 柚季(ヴィオラ)

複数人で演奏するにあたって、言葉で意見を交換すること以上に音で相手に伝えていき、それに音で応答することで音楽が少しずつ豊かになっていく瞬間を、今回の塾で何度も目の当たりにしました。
音を介して意志を共有できることが、室内楽の醍醐味だなと感じています。


「生きた音楽の喜びを思い出させてくれる存在」

池田 虎之介(チェロ)

期間中、大山先生と中先生から沢山の忘れがたい言葉をいただきました。曲の中の細かいことから音楽全体の本質に関わることまでどれも忘れられません。そして一番印象に残っているのは、練習の段階で緻密に積み上げた後、本番で自由になった瞬間です。深く向き合うからこそ実際に弾く時に音楽が命を持って出てくる、ということに気付きました。ひとりで練習していると忘れがちな生きた音楽をいつでも室内楽は思い出させてくれると思います。


講師 中 恵菜さんより ~最終演奏会を終えて~
無事3日間のリハーサル&レッスンを経て、成果発表会でしたが、みなさん本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
本番というものは、やはり普段とは違う空気が纏いますし、精神的にも特別な場です。
そのような中、生徒さんたちはコーチングされた事を自分なりに解釈し、それを試そうとしていました。それがうまくいってるところもたくさんありました。
本番のような場では、素がでてしまうので細かいことや、気をつけねばならない事を忘れてしまいがちですが、みなさん、きちんと学んだことを最大限自分のものにして演奏したいという意志が伝わってきて、すごく嬉しかったです。

大山先生のコーチングの内容というのは、初めて学んだその時より、その後時を経て、自分の知識、そして勉強の内容、楽譜の読み方がそこそこ染み込んできた頃に、どれだけ素晴らしい内容なのかという事を、改めて実感しております。
学生を卒業し、プロでやっていくには自分が演奏する内容への自信、説得力に責任がなければならないと思っています。でもそれはどのようにすれば良いのかというのが、この大山先生のコーチングの内容です。それが本当に音楽家にとって1番大事な部分ですが、方法論だけで、”なぜそうなるのか”まで教えてくれる先生は多くないと思います。同じような音楽的アプローチをしていても、きちんとなぜそうなのか、言葉で説明できるのは雲泥の差と思います。

今回は私も、大山先生のコーチングを改めてじっくり拝聴し、とても勉強になりました。これからも長い道のり、常に勉強なのだなと身が引き締まる思いです。とても充実した4日間でした。ありがとうございました。

「ヤング・アーティスト・シリーズ 2026」詳細が決まりました

2025年12月に開催した「ヤング・アーティスト・パフォーマンス」が、名前を変えて、「ヤング・アーティスト・シリーズ」としてスタートします。Music Dialogue 室内楽塾(京都・東京)に参加し、研鑽を積む若手演奏家を対象に、次のステップとしての学びの場という位置づけで、プロの演奏家を目指す一歩を応援する企画です。
コンサートでは、小室敬幸氏(作曲、音楽ライター)のプレトークから始まり、演奏、ダイアログなど、皆様にとって楽しい学びがある場を作っていきたいと思っております。

公開リハーサル:6月28日(日)12:00 ~18:00 (途中入退場OK)
本公演:7月1日(水) 19:00開演(18:30開場)  

ブラームス 弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 作品111
田中 里奈(ヴァイオリン)、伊東 咲耶(ヴァイオリン)、山之内 真梨(ヴィオラ)、蕨野 真美(チェロ)
フランク ピアノ五重奏曲 ヘ短調
羽室 芽衣(ピアノ)、石上 真由子(ヴァイオリン)、荻原 緋奈乃(ヴァイオリン)、大山 平一郎(ヴィオラ)、井上 帆乃香(チェロ)




facebook twitter LINE