”あなたとって「室内楽」とは・・” 第2弾です。
「室内楽って何?」を一般的な定義ではなく、演奏する側として、いよいよ3月開催の「室内楽塾 in 東京2025」に参加するアーティスト(一部「室内楽塾 in 京都2025」参加経験者)が、それぞれの感性で言葉を選び、室内楽への想い・醍醐味を伝えてくれました。今現在の活躍の場、経験、楽器、性別、、、言葉での表現が違い、 もちろん音楽の表現も違うことでしょう。
室内楽塾では自ら応募し選ばれた若手アーティストが、講師を交えたグループを組み、演奏会に向けて音楽づくりに取り組みます。初日の「初めまして」から3日間のリハーサル、レッスンで各々の想いをもって曲に取り組み、音楽をどう作っていくのか、変化の過程も楽しみいただけます。
交 流

「室内楽とは、社会的・音楽的に交流する機会」
進藤 実優(ピアノ)
共演するパートナーを深く知り、寄り添いながら音楽を奏でていくことが醍醐味だと思う。ときに、全く違う視点から音楽を解釈する瞬間が生まれることも、大変魅力的である。
「室内楽とは、他者を受け入れ、異なることを恐れないこと」
宮澤 結生(チェロ)

室内楽に取り組む中で、演奏家によって異なる解釈を持ち、その擦り合わせに悩むことがあります。そんな時、足すというよりもかける、ということを大切にしています。言葉にすると似ていて難しいのですが、感覚として持ち合わせたものを掛け合わせていくことでそのメンバーでしか生み出せない新たな発見を生み出すことができると感じています。そのためには自分の意見を押し付ける、異なる意見を恐れるということを辞めなければならなく、室内楽には演奏家というよりも人として、器の大きさが問われるのではないかと考えています。
コミュニケーション

「室内楽とは、言葉がいらないコミュニケーションツール」
菊田 萌子(ヴィオラ)
音に自分の意思を乗せて発信したり、また受け取ったり時の繰り返しで音楽が発展する様子がまるで会話のようだなと思いこのテーマを選びました。
余談ですが、長く一緒にやっている仲間だと相手の音から今日の気分や体調まで伝わってくることもあります。
「室内楽は、対話で生まれる音楽」
日高 夕子(ヴィオラ)

普段わたしが仕事をしているオーケストラという現場では指揮者のもとで全体の流れを作りますが、室内楽では奏者同士がより密接に意見を交わし、主体的に音楽を築いていくのが大きな違いだと感じています。どちらにもそれぞれの魅力がありますが、室内楽の醍醐味は、言葉を尽くすことはもちろん、お互いの音、呼吸や目線を通じて対話しながら音楽が生まれていく瞬間かな、と思います。

「室内楽とは、共感すること」
菊川 穂乃佳(ヴァイオリン)
作品の声に耳を傾け、共演者の想いに耳を傾け、自分自身の声にも耳を傾ける。(室内楽をしている時は、より自分自身の言葉(音)に偽りがないかどうか自分に問う気がします。)
そして相手の音を肯定しながら共に弾くことで、自分だけでは見られなかった景色に辿り着く事ができます。誰かのくれたパスにまず共感すること。そこから一期一会の化学反応が起こる、それが室内楽の面白いところです!
個 性

「室内楽は、火花を生み出す」
名田 卓麻(チェロ)
室内楽は、「異質さ」を前提にする特異なジャンルだと思います。ひとつの音楽を求めるほどに、楽器の違いはもとより各奏者の美学、経験、知識などの微妙な違いが摩擦となり、火花が散ります。この火花こそが楽譜に積もった埃を払い、作品の美しさを照らし出してくれるのです。
「室内楽とは、小規模な編成だからこそ一人ひとりの個性が際立つ。」
大島 みなみ(ヴァイオリン)

オーケストラのように1つのパートを複数人数で演奏せず、ハーモニーが複雑な交響曲よりも楽曲の構造がシンプルなので、楽器それぞれの音色やキャラクターがより際立ち音楽での会話が弾く側も聴く側も楽しめると感じます。

「室内楽とは、色彩の世界」
田中 里奈(ヴァイオリン)
(ヴァイオリン)
人によって持っている音色も様々で、複数重なっていくと新しい色彩が広がっていくように感じます。誰と一緒に演奏し、何の曲を選び、どんな音楽を創っていくか、、、一期一会の室内楽だからこそ、1人では辿り着けない世界を見ることができます。
室内楽塾 in 東京2025 受講生による演奏会・公開レッスン
公開レッスン
3月11日(火) 9:30~19:30
3月12日(水)10:00~16:30
3月13日(木) 9:30~19:30
【会場】旧園田高弘邸
ファイナルコンサート
3月14日(金)開演19:00 / 開場18:30
【会場】中目黒GTプラザホール(東京都目黒区上目黒2-1-3)
【曲目】フォーレ ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.15
ブラームス ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 Op.60
シューベルト 弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956
ブルックナー 弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB112
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