「暗闇音楽会」 暗闇チェロコンサート レポート

2024.12.20

2024年12月8日(日)竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にて、昨年に弾き続き第2回目となる「暗闇音楽会」が開催されました。出演はMusic Dialogueアーティストの笹沼 樹さん(チェロ)でした。
16:30と19:00の2回公演は今回も早々に完売となり、お子様から前回に続けての参加の方までたくさんのお客様にご来場いただきました。

「暗闇音楽会」のスタートは、明かりのない真っ暗の空間へ、荷物をロッカーに預け、10名程度の列を作り、前の方の肩に手をのせて連なって入っていくところから、ドキドキの体験がはじまります。演奏の始まりまでのわずかな時間も、暗闇のなか、隣の方と「大丈夫!」と互いに声をかけあいながら待ちます。

暗闇での演奏は、通常のコンサート会場とは違うため、「音が上から降りてきた」「全身で聴く感覚」「演奏者の息遣いを感じた」「笹沼さんのお話から映像が浮かんできた」など、お客様それぞれが、感性を豊かにし演奏を楽しまれた様子でした。
演奏者の笹沼さんご自身も、「自分でも弦楽器はこんなにいい音! より音と向き合い、音を求める作業ができた」「心を勝手に開いている自分、普段の生き方を見つめなおす感覚」だったそうです。

暗闇での30分弱の演奏とトークを終えて、入場時と同様に列になって退場し、明るいロビーへ。再度チェロの演奏を、暗闇と明るい場所での聴き比べたのち、ダイアローグの時間となり、お客様がそれぞれ新しい音楽経験の感想を伝えあい共感する時間になりました。

ー お客様の感想(ダイアローグより)ー

・暗闇のほうが澄んだ音に聞こえた。身体に音がしみこむよう。

・暗闇のほうが音源が大きく、つかめるような距離感に感じた。

・音が上から来る、満月から回って来るように感じた。

・暗闇での演奏は、笹沼さんと自分が1対1のような「相思相愛」の感覚になりました。

・足の痛みが消え、帰りは杖を突かないで歩けそうです。音楽療法ですね。

ー 笹沼 樹さんの感想(ダイアローグより)ー

音を介しての対話で、入場時のお客様の緊張、不安から、徐々に落ち着いて聞いてくださっている、つながりを感じるようになりました。いつよもり深いアンテナをはって、お客様とのふれあいができ、一体感を感じました。普段からお客様との空気感を大事にしていますが、逆にお客様に頼っていた、いかに視覚的情報に左右されているか、を感じました。
自分がどういう音を出しているか、音そのものにフォーカスすることができ、深いアンテナでお客様と心の目で触れ合うことができ、よい経験となりました。


演奏曲目(暗闇にて)

スペイン、カタルーニャの民謡:「鳥の歌」カザルス編曲
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード 、サラバンド、メヌエット(16:30回のみ)
成田為三作曲:「浜辺の歌」
ガスパール・カサド:無伴奏チェロ組曲 第1楽章

ロビーにて

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード、クーラント
アルフレード・ピアッティ:無伴奏チェロのための12のカプリース Op.25 No.7


※本イベントは、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティさま主催、安渕聖司様(アクサ生命 代表取締役社長兼CEO)からの特別なご支援により開催されました。


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